CREのお仕事

MackerelのCRE(id:missasan)にインタビュー

2018年3月入社
三浦美沙(id:missasan)
サービス・システム開発本部
第3グループ
Mackerel CRE

今日はよろしくお願いします。CRE (Customer Reliability Engineer) は新しい職種と伺っています。まずはどういった職種なのか聞かせていただけますか。

id:missasan

私はCREを「エンジニアリング x カスタマーサクセス」の仕事だと解釈しています。

といっても一般的には、その定義はまだまだ発展途上で、CREという職種があっても企業によってやることは様々だと思います。

Mackerelはサーバー監視サービスという、エンジニアの方々が使うサービスなので、エンジニアの悩みに寄り添って心地よくサーバー監視や運用を行っていただけるようにサポートする仕事です。 そのためエンジニアの視点と、カスタマーサクセスの視点の両方が必要になってきます。

定義が難しいので、以前こういったブログで自分たちの取り組みやチームの遍歴をまとめています。まだまだ小さいチームですが、「エンジニアリング x カスタマーサクセス」の切り口でチャレンジできることは幅広くなんでもやっています。

https://developer.hatenastaff.com/entry/2020/10/30/093000 より

ほんとうに活動範囲が幅広いですね。1日のスケジュールはどういったものになるのでしょうか。

id:missasan

私の場合は、Mackerelをご契約いただいているお客様とコミュニケーションをしながら、Mackerelの導入や活用を支援する仕事がメインなので、お客様とメールやオンラインミーティングなどでコミュニケーションしている時間が1日の半分くらいを占めます。

お客様の課題をヒアリングして、参考になりそうな情報の提供や、Mackerelのベストプラクティス・事例の紹介、やりたいことを実現するための設定の提案などを行っています。

それ以外の時間は、月に1-2回の頻度で開催しているオンラインセミナーの企画やコンテンツ作り、CREの活動を評価するためのデータ分析なんかもしています。

1日の活動内容はメンバーによって異なります。テクニカルサポートをメインに活動しているメンバーは問い合わせの回答や、そのための技術検証、サポート基盤の運用などをしています。

問い合わせでわかったバグを修正して、MackerelのOSSにプルリクエストを出したり、デモ環境を構築したりと、コードを書くようなシーンもあります。

エンジニアとしては珍しいキャリアパスなのではないかと思いますが、はてな入社前はどういったことをされていたのでしょうか?

id:missasan

新卒で入社した会社はSIerで、そこではインフラ系のSEをしていました。

OJTが明けて最初にアサインされた案件は、朝から深夜までデータセンターにこもって物理サーバーに50ページくらいある設定書を見ながらWindowsサーバーをセットアップしていく仕事でした。

2-3年経っていろいろなインフラ開発のプロジェクトに携わった後、当時AWSをはじめ注目されていたパブリッククラウドサービスの立ち上げをする部署に異動になり、そこでクラウド基盤の構築や、Zabbixでの監視システム構築を経験しました。 それが「サーバー監視」に興味を持つきっかけになりました。

その後、サーバー監視や運用についてさらに深堀りしたくなり、それを専門に扱うMSP企業にご縁があって入社しました。

当時は、立ち上げ期からの名残でCTOなど役員や一部のエンジニアがセールスを兼ねていて、自分もそれを強化する形で途中からセールスを手伝うようになりました。

クラウドを使った構成提案や、MSPを体制に含んだ運用設計の支援までやっていたので、実態はテクニカルセールスだったと思います。

※MSP(Managed Service Provider):システムの監視・運用・保守をサービスとして提供する業態。

どうしてMackerelのCREになろうと思ったんですか?

id:missasan

30歳を過ぎたころから自分のキャリアを改めて考えたとき、セールスとして専門性を高めたいというよりも、どちらかというと自分はお客様の課題を解決することに興味があるんだなということを自覚しはじめていました。「お客様の困りごとを技術で解決するということに自分が関わり続けたい」と感じていました。

Mackerelの存在は知っていて、2014年にリリースされたときは社内でも話題になっていました。 そこから数年が経っていましたが、転職を考えて自分が携わりたいプロダクトはなんだろうと探していたときに、ふとはてなのことやMackerelのことを思い出しました。 はてなは技術に明るい会社というイメージがあり、自分のようなエンジニアとしては中途半端な経歴の人間が携われる職種はないよな... と半ば思いながらもホームページを見に行って見つけたのが、Mackerel CREの求人でした。 そこには「顧客に寄り添い、顧客が抱える真の課題にフォーカスし、その課題を技術を軸として顧客と共に解決を図る」というCREのミッションが書いてあって、まさにやりたいのはこれだと思いました。

実際に働いてみて、MackerelのCREの面白さはどこにあると思いますか?

id:missasan

そうですね。大きく3つ挙げられると思っています。1つは、Mackerelを使ってお客様の組織が変化していくところを目の当たりにできるところ。2つ目は、プロダクトの改善に関われるところ。3つ目は、CREという仕事をイチからつくっていけるところです。

Mackerelを使ってお客様の組織が変わっていくところを目の当たりにできる

はじめは監視が十分ではなかったようなサービスが、Mackerelを軸にして監視・運用がまわりはじめるようになっていくところや、Mackerelを通じて組織にDevOps文化が根付いていく様子を間近で見ることができます。 自分が携わるプロダクトが役に立っていることが嬉しいですし、いつもうまくいくわけではありませんが、試行錯誤して自分がフォローアップしたことがお客様にとってよい結果に繋がったときはCREをやっていてよかったなと思います。

プロダクトの次の一手を考えるブレインとしてCREが期待されている

Mackerelはリリースから6年半が経ちます。プロダクトも成熟して、サーバー監視ツールとして必要な機能はほとんど揃ったと思っています。次はここからどう展開して、どうよりプロダクトの価値を高めていくのかが重要なフェーズです。

これまでずっとお客様の目の前に立ってきたCREは、プロダクトの方向性を考えていくブレインとしても期待されています。これはCREとしてとてもやりがいのあることです。 Mackerelにはプロダクトオーナーチームがあってロードマップを検討しているのですが、私もそこにメンバーとして参加しています。 とはいえ、蓄積されたお客様の声の中から本質的な課題を見極め、お客様とプロダクトにとって価値ある形に落とし込むというプロセスは、何度も見直していますし、まだ答えは見つけられていません。

仕事をイチからつくっていく面白さがある

CREはまだまだ発展途上の職種です。これをやっておけば大丈夫という「絶対」や「お作法」はありません。仕事内容も専門性もすでにある体系だったことを学ぶというより、それ自体をやりながら作っていくような仕事です。苦労する部分でもありますが、同時にそれがCREの面白さの一つでもあります。 自分が積み上げたことがこれからのCREのスタンダードになっていく可能性もあります。実際にそういう感覚があります。

これまでの経験を活かしてエンジニアの新しいキャリアを切り拓きたいという人にはめちゃくちゃお勧めの仕事です。そういう人たちがエンジニアの次の道として、エンジニアリングマネージャーやプロダクトマネージャーになることを考えるように、CREもキャリアの候補の一つとして選んでほしいです。

はてなに転職を考えたときの自分のように、次のキャリアを考えておられるような方は、ぜひお話できたらうれしいです。

CREの仕事の醍醐味が理解できたような気がします。本日は貴重なお話をいただきましてありがとうございました。